新しい学年、新しい学級はワクワクドキドキ
もくじ
4月は入学式や進級など新しいことが始まる季節でね。
子どもたちは新しい友達、新しい先生、新しい学び場にワクワクしているではないでしょうか?
一方で新しいこと生活が、スタートすることへの不安もありますよね。
「友達はできるかな?」
「新しい先生は優しいかな?」
「勉強はついていけるかな?」
きっと子どもたちの心の中は、ワクワクとドキドキ。
環境に慣れるのが早い子もいれば、そうでない子も。
とくに環境の変化に敏感で不安を感じやすいお子さんの場合は、新しい環境は緊張の連続になると思います。新しい環境になるたびに、「今回は大丈夫かな?」、「また前と同じにならないかな?」とドキドキしている方も多いと思います。
そんな不安や緊張を感じやすいお子さんに対して、僕が実践して効果のあった方法をご紹介します。
僕なりの取り組みを紹介しますね。
新しいことばかりの4月
学年が変わる4月は、新しいことばかり。
新しい担任の先生、新しいクラス。新しい友達。ようやく慣れた頃にクラス替えがあるので、お子さんにとっては変化の大きい時期になります。
お子さんは慣れるまでに、たくさんの時間とエネルギーを使っています。
子どもたちは、笑顔のうらに不安や緊張をもって過ごしています
新しいことにドキドキしちゃう A子さん
僕がサポートしたことを紹介しますね
- A子さん 5年生 女の子
- 新しい環境に慣れるまでに時間がかかる
- 自分の想いや感じていることを、伝えるのが苦手
小さな変化にも敏感に気がつく感受性の高い子で、友達が困っていることにもよく気がつく優しい子でした。感受性が豊かだからこそ、周りの変化やクラスの雰囲気を敏感に感じることがありました。
新しいことに、ドキドキしちゃうんです。
不安と緊張はあたりまえのこと
4月は子どもも先生も、忙しく慌ただしい時期です。
春休みの間はゆっくり自分のペースで過ごせていた生活から、新年度が始まるといっきに学校モードになります。新しいクラス、担任の先生、友達など環境が大きく変化します。
さらに、クラスの係をきめたり、班決めをしたり。決めることが多くてとにかく忙しい日々を過ごさなくてはなりません。クラスが変わると新しいルールなども増えるので環境に慣れるまではどの子もたくさんのエネルギーを使っている状態といえます。
新年度は大人が思うより、変化が大きい時期です。
不安になることは当たり前だと僕は思っています。
しかも、毎年、毎年変わっていきます。
だらこそ、子どもたちに伝えていた子があります。それは、
新しいことに慣れるまでには時間がかかること。
不安になったり、緊張したりするのは当たり前のこと。
さらに「人によって慣れるスピードが違うし、それぞれのペースで新しい環境に慣れればいいよね」とクラスの子どもたちに全体に伝え続けていまた。
僕も緊張しやすいタイプなので、そのことをよく伝えていました
クラスのみんなが同じように、受け止めてくれたら安心するよね
個別のサポートは信頼関係から
具体的はここからです
全体的に僕の想いを伝えながら、A子さんとの信頼関係を築くことを大切にしていきました。
今回は3つ紹介しますね
普段の会話や雑談を意識する
子どもと過ごすうえで大切なのは信頼関係です。
なぜなら信頼関係がない人の話しは聞いてもらえないですし、聞いてくれたとしても「やってみよう!」という気持ちにはならないからです。
そこで僕はまずは、A子さんとの信頼関係を築くことを意識しました。
具体的にしたことはA子さんとの雑談や会話をできるだけ多くしました。
そしてA子さんの話しに興味を示すようにしていました。
「なるほど!!」、「もっと聞かせて」と声をかけると嬉しそうに話しを続けくれるA子さん。
その表情が素敵で僕はもっと話しを聞きたくなっていました。
そんなことが続くと、A子さんが僕に対して少しずつ安心感をもって話してくれるようになっていることに気がつきました。
ある日ぼくと何気ない雑談の中から、A子さんが「お笑い好き」ということが分かり、僕と盛り上がりました!!それからA子さんと、お笑いの話をよくするようになりました。
さらにA子さんとの距離が縮まり、いろんな話しをしてくれるようになりました。
何気ない会話から、子どものことを知ることができるんですよね
ヘルプカードの活用
少しずつ信頼関係が、積み上がってきたところでA子さんのサポートに取り掛かりました。
A子さんと話をして分かったのは、
新しいことに対して不安を感じやすく緊張しやすいこと。
友達がいる前で手を挙げて、質問するのが苦手ということでした。
みんながいると、緊張して質問できなくて・・・
先生や大人は「分からないことや、困ってたことがあったら手を挙げて教えてくださいね」と伝えます。僕もそうです。それ自体は問題ないのですが、1つ気にしたいのは自分の困っていることを言える子と、そうでない子がいることです。
A子さんは不安や緊張を感じやすく、友達の前で困ったことを言えないお子さんでした。
そこで考えたのが『ヘルプカード』でした。
A子さんが困ったと感じたことがあると、そっと机の上に出しておく。
そうすると僕が、カードを見つけてサポートしに行くといった感じです。
A子さんの持っている優しさを知った僕
A子さんと話すことが多くなってきたある日、いつものようにお笑いの話しが一段落したときのことでした。
僕がA子さんに「授業のことで困っていることはない?」と質問したときに彼女が勇気を出して伝えてくれたことがありました。
それは「質問をすることで授業を、止めてしまうことが心配」だということでした。
その言葉を聞いて僕は、A子さんの持っている優しさに気づきました。
優しいからこそ、人に気を遣うことができる。
優しいからこそ、自分よりも友達を優先する。
優しいからこそ、自分の想いを控えめにする。
僕はそんな優しさ持つA子さんの困り感を、少しでも少なくしたい気持ちでいっぱいでした。
それからはA子さんと相談をしながら、A子さんにとって活用しやすい『ヘルプカード』について相談を重ねていきました。
A子さんは優しい子なんだね
保護者との連絡を取り合う
A子さんの優しやを知り、僕にできることを考えていました。
そこで大切なのは、なんといっても保護者の方の存在だと僕は考え保護者の方とも定期的に連絡を取るように心がけました。
A子さんをサポートするうえで、親御さんとの協力は大きなポイントになりました。
なぜなら、A子さんのことを僕以上に知っているのは保護者の方だからです。
嬉しいことも、苦労してきたことも。ずーっと側で見守り愛を注いでいる存在。
だからこそ、保護者の方から教えてもらうA子さんの様子は貴重でいろんなことを気づかせてくれました。
特にA子さんの学校と家との様子の違いを知ることができたことでA子さんのサポート活かせたことは多くありました。
また保護者の方ともA子さんに対してのサポートのあり方や、僕が大切にしていることを理解してもらえたのは心強かったです。
先生にとっても、保護者にとっても情報交換することのメリットは大きいですよね。
その後はA子さんはどう変化したの?
A子さんは少しずつでしたが、「ヘルプカード」などを活用して助けを出せるようになり、「自分なりの解決方法を試してうまくいった」という体験を積み上げていきました。その結果少しずつ自分に自信がつき、集団で行う活動でも参加できる時間が増えていきました。
活動に参加できないときは違う場所での自習を行うなど自分なりのペースで過ごし、学年が終わる頃には遅刻や休むこともほぼ無くなっていました。
1人で過ごすときもあれば、友達と過ごす時間もありA子さんなりのペースで過ごせるようになっていました。
私なりのペースで過ごせるようになりました
新年度のスタートを安心してすごすために
A子さんのことを通じて感じたのは、子どもにとって環境の変化は大人が思うより大きくストレスがかかること。そして新しい環境に慣れるでは、時間がかかるということでした。
当たり前かもしれませんが、大切にしたい視点だと感じました。
なぜなら、スタートをどうさせるのかで今後の1年、さらに今後の学校生活にも影響を与えるからです。
だからこそ少しでも緊張や不安を和らげて、安心して過ごせるための仕組みや選択肢を大人が増やしていくことが大切ですね。
お子さんも、あなたも、先生も。
子どものために優しい気持ちをもって一生懸命に取り組んでいます。お子さんの気持ちを真ん中に置いて、お子さんが心地よくすごせる環境つくりをできるといいなぁと思っています。
僕が学校したきた取り組みを先生や保護者の方にも知ってもらい、お子さんにとって少しでも心地よい時間が増えればうれしいです。
まとめ
新年度は忙しくて、心に余裕がないことも多くあると思います。
だからこそ、少しでも安心しを感じて心地よくすごせる時間が増えたらいいですよね!!
今日も良い1日を〜
僕で良ければ、相談に乗りますー。
「相談希望」とメッセージくださいね。
さんちゃん、 先生やめて何しているの?
17年間の公務員から退職。 妻子ありなのに、なんでまた?
現在はコーチングの他にも『PANZ FACTORY』の工員
子ども達と山で泥んこまみれの『原っぱ大学』のスタッフ
子どもたちと焚き火を囲む『焚き火の時間』主宰として活動中
さんちゃんの詳しいプロフィール
17年間公立小学校の先生として勤務。10年以上、発達特性のある子どもたちと関わってきた経験を生かし『子どもも大人も自分らしく表現できる世界を作ること!』をミッションとして活動中。2022年よりオンライン×リアル家庭医教師「MANABI・マナビー」主宰。強制や指導ではなく「対話でじっくり関わること」を重視。誰もが持つ素晴らしい個性を活かし、子どもと保護者の笑顔が増える瞬間を大事にしている。
その他、親子の遊び場「原っぱ大学」、アイアン工房「PANZ FACTORY」など教員の枠を超えて大切な仲間と充実した毎日を送る。同年8月より、逗子オルタナティブスクールプロジェクトに参画。
詳しいさんちゃんのプロフィール