元支援学級の先生が教える感情のコントロールが苦手な子どものためのサポート方法!!

自己紹介

17年間公立小学校の先生として勤務。10年以上、発達特性のある子どもたちと関わってきた経験を生かし『子どもも大人も自分らしく表現できる世界を作ること!』をミッションとして活動中。2022年よりオンライン×リアル家庭医教師「MANABI・マナビー」主宰。強制や指導ではなく「対話でじっくり関わること」を重視。誰もが持つ素晴らしい個性を活かし、子どもと保護者の笑顔が増える瞬間を大事にしている。

その他、親子の遊び場「原っぱ大学」、アイアン工房「PANZ FACTORY」など教員の枠を超えて大切な仲間と充実した毎日を送る。同年8月より、逗子オルタナティブスクールプロジェクトに参画。

詳しいさんちゃんのプロフィール

感情のコントロールができないから、悪い子ではない

僕が担任をしていたのは、「自閉・情緒障害児特別支援学級」でした。それぞれが個性的な仲間の集まりでしたよ。

障がいという言い方はあまり好きじゃないんだ。。。
切り分けされている感じがしてさ。

関わってきたお子さんには自分の気持を調整するのが苦手なお子さんがいました。
いつもは穏やかなんですが「何か」があると感情的になることがありました。

僕は感情を出すことは
悪いことだとは思わないよ。

えっ!
感情を表に出すのは悪くないの?

感情を表に出せるのは素敵なことだと思うよ。
でも周りに迷惑をかけるのはよくないけどね。。。

読んでほしいこと
  • 感情的になる理由を知りたい
  • 感情的になったときの対応を知りたい
  • 自分なりのクールダウンの方法を身につける方法を知りたい

僕とこうた君(仮名)との出会い

初めてこうた君に会ったのは3年生。 (お伝えできる範囲で内容は変えています)
2年まで通常の学級にいましたが「気持ちが不安定になることがある」とのことで僕のクラスにこうた君が来るようになりました。
始めのうちは「こうた君、元気??」と挨拶をする程度の関係でした。

電車のことがすごく好きな子だったよー。

3年生になるにあたり、保護者の方の願いもあり、僕が担当の担当している支援学級に入級してきました。入級するにあたり、保護者の方とも話合いを重ねてきました。

気に入らないことがあると、友達を叩くことが目立ってたんです。
友達に怪我させてないか?と毎日心配でした。

こうた君とお母さんにとっても「安心」して過ごせるよう一緒に考えて行きましょうね。

お母さんと初めて面談をして感じたことは、こうた君のことをよく考えている姿勢がよく伝わってきました。話し合いの中でお母さんは「こうた君が学校でも気持ちを安定して過ごす時間を増やしたい」という願いでした。

ほっといてほしい、こうたの気持ち

こうた君は少しずつ支援学級での過ごす時間にも慣れ始めていました。支援学級での学習では苦手意識がありましたが、粘り強く取り組む日々が続いていました。

そんなある時でした。いつもなら「そろそろ勉強を始めよう」と僕が声をかけると自分の席に座るのですが、様子が違いました。ようやく席につき課題を始めようとしたきです。

こうた君が目の前にあるプリントを、グチャグチャにしだしました。
ビックリした僕は、「どうしたの?」と声をかけると隣にいた違う子の机を「ドーン」と押しました。それからA君は物を投げたり、机を倒したりすることがありました。

ほっといてよ・・・

どうしたのかな??

こうたくんなりの理由があるはず。

ここで僕はこうた君の行動に対して「何をやっているんだ!!」とは怒鳴りませんでした。
それよりも、こうた君の中で「何があったのか?」を知りたいと思いました。
怒鳴っても解決はしませんし。もし僕がこうた君なら、まずは共感してほしいですしね。

怒鳴っても解決はしないからね。

感情的になるには、理由がある!!!そんな思いが、僕の胸にありました。

こうた大丈夫かしら。

『 観察と遊び』から分かったこと

理由を知るには何をしたらいいの??

すごく簡単だよ。

僕がしたことは「観察」と「遊ぶこと」の2つ。

A君は「どんなことに興味があるのか?」、「どんなときに感情が揺れて反応的になるのか?」をひたすら観察しました。

こんな視点で観察していたよ。

観察のときのチェックリスト
  • 誰といる時になる?
  • 何の教科?
  • 場所は?
  • 人数は?
  • 友達のは誰がいた?
  • 何時間目か?

好きなゲームの話や「トランプ」や「オセロ」もたくさんしました。もちろん学習もしましたがそれ以上にA君を君と関係作りを大切にしてきました。

どんな遊びをしたの?

こんな感じだよ〜。

遊びの例
  • スピード
  • ババ抜き
  • 7ならべ
  • 坊主めくり
  • オセロ
  • クイズ
  • 折り紙

なぜ関係作りが必要なの?

信頼関係がない人に、相談しようとは思わないでしょ。

関わりの中で、見えてきたもの

色々な場面で見えてきたことがあったんだ。

  • 困っていること 苦手なことになると、取り組まないことがある。
  • 文章を書くのが苦手。クラスの友達と同じ行動を取るのが苦手。
  • 1人でいたいのに、友達やクラスの学習に行き過ぎると気持ちが安定しなくなる

苦手な時に、気持ちがアンバランスになると起こることが分かったんだ。

整えられない感情は、こんな行動になって現れていたんだ。

  • イライラをぶつける
  • 物にあたる 。物を投げる
  • 喋らなくなる。
  • 泣き出す。
  • 机や椅子を倒す

僕は、そこで考えたのは、『苦手な場面に直面したときに、本人が対応しきれなくなり感情が揺れて反応的になる』ということが分かったんです。

家でも、物に当たることがあります。。。

パターンが分かった後は、どうするの?

これから、することは「気持ちに寄り添い共感」することだね。

共感しながら『気持ちを調整する力』を育てる

感情的になるパターンが分かったら僕がしたことは『心を育てる力』を育てることに力を注ぎました。『感情的になるからやめさせる』だけではこうた君の生きていくための力にはなりません。こうた君の気持ちを自分で調整できるように、サポートしていきました。

具体的にはこんな感じだよ。

僕がしたサポート
  • 感情に共感すること
  • 感じた感情には「良い」、「悪い」と判断しないこと
  • イヤなことをじっくり聞くこと
  • 話を聞くときは、批判はしないこと
  • 『一緒に、感情と仲良くなるやり方』を考えていこうね。と常に伝えること
  • 話したくないときは、無理に話をさせないこと

こうた君と「対話」を繰り返しながら「気持ちを調整する力」を育てていきました。

感情的になりたくて、なっているわけじゃない!

背景を意識するきっかけがあったの?

それは、子どもたちの言葉を聞いたからだよ。

感情的になり「バカ!」と言ったり、友達の事を「叩いて」しまったり。
そんな子どもから話を聞くと

「感情的になりたくて、なっているわけじゃない」
「暴れたくてしているんじゃない」
「止めたくても、どうしても体が動いちゃう。」

と伝えてくれる仲間が多くいました。

友達を叩いた後、いつも「後悔」するんだ。

私も言葉が悪くなることがあって。本当は言いたくないのに。


そんな子どもたちの言葉をたくさん聞いた僕は、子ども達の行動の「原因」や「背景」を意識するようになりました。

息子なりの愛情なんですね

こうた君の本音を話してくれるようになったよ

こうた君との信頼関係が深まってきたことで、今までにない悩みをの話をすることができるようになりました。例えばこんな感じでした。

  • イライラすると自分をとめられいなこと
  • そんな、自分も嫌なこと
  • 友達、親に迷惑をかけたくないこと
  • 集団が苦手なこと

こうた君のお母さんにも分かったことを伝えていく と

「息子なりの愛情なんですね」
「私の事をとても心配してくれるんです。その分我慢しているこのかもしれんません」

今まで気づかなかったこうた君の思いに、心を寄せるようになっているようでした。

いろいろ我慢していたのかもしれません。。。

繰り返し『対話』することで、「言いづらい本音」が言えたんだね。

お気に入りの本を持ってきたよ

こうた君と考えた、気持ちを調整する方法はこちら

気持ちを整えるためにしたこと
  • 好きな本をよむ
  • 音楽を聞く(お気に入りのヘッドフォンを使って)
  • 一人のスペースをつくる
  • 1日の予定を事前に確認しておく
  • 集団での参加は、時間を決める
  • 一人の時間を作る

お気に入りの本を持ってきたよ。

気持ちを調整するためには

「事前の防止策」
「感情的になったときの対応策」

の2つのパターンを作って試したいきました。

次第にこうた君なりのパターンができあがりました。「気持ちの調整方法」は彼と話し合いながら調整をし、何度も作り直していきました。

こうたの成長が楽しみになりました

こうた君の家族も変わってきたよ。

こうた君が気持ちを整える方法』を活用できるようになると変化がありました。

さんちゃんとは、ホワイトボードを使って話すんだ。

  • 母との連絡帳のやり取りも、減った。
  • 電話ごしの声も明るい印象に変わった。
  • 週に何度かは働くことができるよになった。

学校のことを話してくれることが増えんたんです。

こうた君の成長に合わせて、お母さんも変化していったんだね。

そうだね。うれしい!!

まとめ

今回はこんなことについて話をしたよ。

まとめ
  • 感情的になる理由について
  • 感情的になったときの対応について
  • 自分なりのクールダウンの方法を身につける方法について
  • 『対話』によって子どもが変わると、親も楽になっていく

お子さんの特性によって、サポートの仕方はそれぞれです。サポートを一人でするのは、とても悩むことも多いと思います。学校であれば、「担任の先生」や「特別支援コーディネーター」に相談してほしいです。

「悩み」を共有することで一人で考え込まずにすみます。
悩みを打ち明けるのは緊張するかもしれません。その気持よく分かります。
もしあなたの悩みが解決したら、次はあなたが誰かの相談に乗ってあげてください。

そうなればお互いハッピーですから。

その通りだね!

良ければ、僕にもご相談ください!

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さんちゃん、 先生やめて何しているの?

17年間の公務員から退職。 妻子ありなのに、なんでまた?

現在はコーチングの他にも『PANZ FACTORY』の工員
子ども達と山で泥んこまみれの『原っぱ大学』のスタッフ
子どもたちと焚き火を囲む『焚き火の時間』主宰として活動中

さんちゃんの詳しいプロフィール

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